スッタニパータ184

第一 蛇の章

<10、アーラヴァカという神霊>

184 「ひとは信仰によって激流を渡り、精励によって海を渡る。勤勉によって苦しみを超え、智慧によって全く清らかとなる。」

〈中村 元「ブッダのことば スッタニパータ」より〉


自分から見た合掌の絵
合掌はブッダのすがた
最初期の仏教は、精励(appamada)
、勤勉(viriya)
を勧めていたことがわかる。
以上註より引用した。

仏教は、ややもすれば虚無的な非生産的な雰囲気があるかもしれませんが、それは後世の仏教が法要などの儀式や因果論に傾注していったことと無縁ではないかもしれません。

しかしながら本詩のように、信仰と精励、勤勉と智慧といった純粋な実践を勧めていたことが、歴史的な研究で明らかとなっています。真理を尊び、日々の生活において何事にも精励し、勤勉によって労苦を乗り越えることが、そのまま「智慧」であります。その一見なんでもないことをきちんと行うことが一番重要なのです。何のテクニックも必要ありません。素直な実践の中にこそ真理があり、勤勉な努力(精進)が理法に適った生き方であると繰り返し述べられているのであります。

辛いことのほうが圧倒的に多い人生ではありますが、それに挫けることなく、いつも原点に立ち戻って教えを実践しなさいと説かれるブッダの声に、あらためて深い優しさ「慈しみ」を感じずにはいられません。

「ひとは信仰によって激流を渡り、精励によって海を渡る。勤勉によって苦しみを超え、智慧によって全く清らかとなる。」

 

正道

正道 について

禅僧。 福井県敦賀市出身。 滋賀県高島市マキノ町に「大慈観音堂」建立中です。 猫好き、音好き、話好き。 モットーは「正月道路」人生は旅修行。

スッタニパータ184」への2件のフィードバック

    1. 日常にある最も大事なものは、家族の存在です。その当たり前のことに感謝できるかどうか、やさしさの原点かと存じます。

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