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スッタニパータ190

第一 蛇の章

<10、アーラヴァカという神霊>

190 [神霊いわく、──]「いまやわたしは、どうして道の人、バラモンどもに広く問う要がありましょうか。わたしは今日<来世のためになること>を覚り得たのですから。

〈中村 元「ブッダのことば スッタニパータ」より〉


自分から見た合掌の絵
合掌はブッダのすがた

ブッダは、人間や神霊(天上)の後生を否定しておりません。輪廻転生といいますが「来世」に憂いのないため、つまり死後のことをあれこれ心配しなくて良いための「四種の徳」を身につけることを諭されたのです。これは決して脅しではありませんし、気休めでもありません。透徹した眼で真理を覚り得たことを、惜しげなく、握りしめることなく開陳されたのであります。

ただ疑いやすいものたちは、この真理を捻じ曲げて伝えているかもしれません。この世界を貫く摂理として、因果応報というものを確認しておきましょう。まずほとんどの人びとは転生します。地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天上の六つの道(あの世)を六道といい、この六道を色々と回ることを六道輪廻と後世には説かれることになりますが、ブッダは具体的には言及していません。善と悪のそれぞれの道があると申されているのです。

だれもが心配なことを、四種の徳を常に意識して生活していれば何の憂いもないと断言されています。ですから神霊たちは安心して、他のどのような善知識(道の人・バラモン)に聞くものですか、とブッダに答えるのでありました。確かめてみれば解るのですが、この四種の徳は実によく纏められています。皆様もどうか様々な善い徳を具体的に当てはめて確かめられることをお勧めいたします。

「いまやわたしは、どうして道の人、バラモンどもに広く問う要がありましょうか。わたしは今日<来世のためになること>を覚り得たのですから。